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ツールショーリポート

The report on Aprill 06 , 2014

ケルン・ツールショーリポート2014 ~番外編1・KNIPEX本社訪問記~



こんにちは! 板橋本店の小澤です。

ケルン・ツールショーリポートの本編は前回にて終了とさせて頂きますが、今回より番外編をお届けさせて頂きたいと思います。

実は今回ツールショーの取材に先立って、世界No.1のプライヤーメーカー、
KNIPEX(クニペックス)”の本社工場を訪問し、取材を敢行して参りました!! (*^^)

KNIPEX本社は、デュッセルドルフより東に30km程行ったところにあるヴッパータール (Wuppertal)という街にあります。

ヴッパタールはドイツ産業革命の中心地で、歴史的な工業都市です。

同じ街にはKNIPEX以外にも、WERA(ヴェラ)、STAHLWILLE(スタビレー)などの大物メーカーが点在します。

車に揺られ、向かった先は起伏の激しい丘の上で、くねくね曲がった道の先に特徴のある建物が見えてきました!!

KNIPEX(クニペックス)本社に到着です!!

趣きのあるレンガ造りの建物にはKNIPEXの見慣れたロゴがしっかりと付いています。



本社前で出迎えてくれたのはKNIPEXの国際セールスマネージャー、ダニエル・ヘスマーさんです。

ちなみにこの日はドイツ到着2日目で、前日は日本料理屋で一緒に食事を共にしています。(序章参照

それでは早速本社に突入したいと思います。(*^^)



待合室を抜けると、いきなり貴重な昔の道具が陳列されていました!!

今回、工場見学の後にはKNIPEXの歴史的な道具の数々が展示されているKNIPEXミュージアムも見学させて頂く予定ですので、期待が膨らみます。



工場に向かう途中でKNIPEXの社員食堂がありました。

実はこの建物も以前工場として使用されていた歴史的な建物だそうです。



個人的にツボだったのが、トイレのマーク!

男女それぞれを表すマークがなんとスカートやズボンを履いたウォーターポンププライヤー!!

ウォーターポンププライヤーはKNIPEXが世界で初めて製品化した、まさにKNIPEXのシンボル的なツールですが、まさかこんなところで使われているとは思いませんでした。(^^;)

そしてそこを抜けると、中庭を挟んでいよいよ工場なのですが、工場に入る前に手渡されたのがイヤーマフ(ヘッドホン型耳栓)!

工場内はかなりの音ですので、これがないと耳がやられてしまうとの事、、、。

それではいよいよ工場に突入です!

しかし、大変残念ながら工場内は完全に写真はNG!!

昔は特定の一部ならば写真もOKだったそうなのですが、今では写真不可が徹底しており、最初はカメラの持ち込み自体も禁止された程でしたが、それだと続けて見に行くミュージアムで写真が撮れなくなってしまう為、カメラの持ち込みだけはOKしてもらいました。

しかし、工場内は一切撮る事は出来ませんので、ここからはイメージ画像や数年前に撮った画像、メーカーが公開している画像などを織り交ぜながらご紹介させて頂きたいと思います。



まず最初に出会ったのは大量な鋼材の山!

左上の画像はKo-ken本社に取材に行った時の画像で、工具の材料として使用する鋼材をロール状にまとめたものですが、これと同じものが4~5段ある巨大な棚に大量に在庫されていました。

訊いてみると、全てKNIPEXの為に特別に造られた鋼材で、1巻で2t!

全部で300tもの在庫があり、一日あたり20tの鋼材を消費して45,000本ものプライヤーが製造されます。

鋼材は種類別に番号分けされ、バーコード管理されており、10種類位の鋼材をそれぞれ12~32mmまでの厚みのものを1mm刻みで揃えているそうです。

そしてこの鋼材をまずはまっすぐに伸ばし、切断、1300℃まで2段階に加熱、という順に作業が進んで行きます。

そして登場するのが巨大な鍛造機械!!

右上はKTCで使用されている鍛造機械ですが、この様な鍛造機械が複数台稼働しており、工場内にはドン!ドン!ドン!と間断なく物凄い轟音が響いています。

ちなみに鍛造とは、「金属を鍛えて造る」という漢字の通り、鋼材に力を加えて鍛え、工具の形状に変化させる加工方法です。

鍛造のメリットは、削りだして形を整える「切削」や、金属を溶かして型に流し込む「鋳造」に比べ、金属に強さを持たせる事が出来る点です。

日本では昔から刀鍛冶が熱した鉄を金槌で打って日本刀を造るのに使用していました。

こういった巨大な機械で物凄い重さのハンマーを打ち付ける事で鍛造を行なう為、工場内は物凄い轟音と振動が発生します。

工場の地下には、何と鍛造機械の衝撃を吸收する為の自社製の巨大なサスペンション(?)を多数備えており、建物に影響が出ない様に工夫されていました。



KNIPEXの工場内には様々な機械が稼働していましたが、今まで手作業で行なっていた工程に機械(自社製!)をどんどん導入する事でオートメーション化を進めており、効率化と生産性のUPを図っています。

しかしそれでもオートメーション化の難しい複雑な工程も多数あり、昔ながらの手作業の部分も多く垣間見えました。

その手作業の部分については安全性を非常に重視しているのが伺え、事故を防ぐ為、手を決まった場所に置かないとプレス機を動かせなくするなどの操作上の配慮がされていました。

又、品質管理の部分も徹底されており、必ず1時間に1回チェックが入ります。

そのチェック方法は実際に製品を目視でチェックする方法と同時に、全ての機械の稼働記録が調べられます。(稼働記録は常にデータがコンピューターに送られています)

データでのチェックを入れる事で、目視だけでは判断出来なかった不具合を発見出来る様になっています。

鍛造で成型を行なった後、型抜きが行われます。

ちなみに、型抜きで余った鋼材は再利用される為、原料の棒に戻されます。

型抜き後は、真空状態にした状態で700℃に均等加熱されます。

そして300tの力を掛けて全て同じ厚みに調整され、精度(サイズ)のチェックにパスするといよいよ加工に進みます。

尚、造る工具によって使用される機械や工程が異なりますので、あくまでも大雑把な流れとして読んで頂ければと思います。



加工の段階ではプライヤーの種類ごとに異なる工程に進みます。

例えば、ニッパーやケーブルカッターは800℃に加熱後オイルに浸して焼入れ、そして200~300℃で焼戻しされます。

又、ウォーターポンププライヤー“コブラ”は650℃に加熱され、水をかけて冷却します。

こうやってそれぞれ適度な温度で焼入れ、焼戻しが繰り返され、それぞれの用途に適切な硬度と靭性に調整されます。



そして、組み立てや切削・研磨が行われます。

加工に使用される機械は実に500台前後あるとの事でした。

ちなみに、ニッパーのカッター部分を造る機械はつい2日前から稼働したばかりの最新モデルだそうで、人の手を不要とする全自動の機械となっていました。

一方、精密さが必要なスナップリングプライヤーなどは、それ専門のスペシャリストが作業を行なっており、かなり人間に頼る部分が大きい様です。



製造後のチェックも徹底されており、25人以上の専門のスタッフがニッパーの刃の噛み合わせなど、紙を挟んだりして全て目視・手作業でチェックをし、ハンマーなどを用いて最後の微調整を行なっていました。

又、磨き上げもロボットでは均一な磨きが出来ないそうで、手作業で行われているとの事です。

あくまでもクオリティを落とさず良い物を造る事を前提として、機械と人がそれぞれ最も得意とする所を上手く分担をしている様でした。

本体が完成するとグリップが付けられます。

コンフォートグリップや絶縁グリップなどはグリップ自体を40℃位に温める事で柔らかくし、手作業で装着されていきます。

ラバーグリップの場合はプライヤー本体を180℃に熱してから、液体状にしたゴム素材の中に浸し、それを引き上げてから左上の写真の様に吊るして乾かします。

熱する事以外はプラスティディップの要領に近い感じですね。



工場内には、エンジニアの卵の練習施設があったり、製品開発の施設があったりしました。

又、 様々なテストを行なう施設もありました。

写真が昔のものなので右上は旧タイプのグリップで写っていますが、一般的な破断テストや絶縁テスト、サビや温度に対する試験、或いは他社の競合品との性能比較などが行われます。

ちなみにこういった試験で使用する機械も殆どは自社製だそうです。



グリップに型番などを印字させた後、手作業で梱包が行われます。

箱詰めされた製品は種類毎にケースに収納され、コンベアに乗せられます。

右上の写真は何年も前のもので手作業で仕分けされていた時代のものですが、現在は完全に機械化され、全て自動で仕分けられ、倉庫に保管されます。

又、そこから特定の製品を探しだすのは、1製品につきわずか15秒で行えるとの事!

流石は世界一のプライヤーメーカーというところでしょうか!? (゚ー゚)(。_。)ウンウン


ここまでイメージ画像諸々でお伝えさせて頂いた為、古い画像も多いのですが、数年前に工場を訪れた事のある当社のボスも、たった数年間での目覚ましい設備の近代化には目を見張っていました。

しかし、機械化による効率化が進んでいるのと同時に、人間の方が優れているところは変わらずに人間が担っていくという、品質へのあくなきこだわりも感じる事が出来、まさにKNIPEXのクオリティの高さの秘密を垣間見た感じがしました。

やっぱり世界でもトップクラスのメーカーの工場を見学するのは非常に勉強になります。

とりわけただの金属の塊が段階を追って次第に見知った工具に変化していく様はとても興味深く、普段自分たちが扱っている製品がどのような工程で生み出されているのかを知る事が出来、貴重な体験となりました。



続いてやってきたのは、KNIPEXの敷地内にあるKNIPEXミュージアム(歴史博物館)!!

私が手に持っているのが何だかお分かりでしょうか?

巨大な木製のプライヤーなのですが、何と、初期の絶縁工具なのだそうです!!

昔はこんなのを使っていたのですね~。



ミュージアム内に入ると、年代物の機械がズラリ!

全て実際にKNIPEXが昔使用していた機材なのだそうです。



ちょっと面白いものを発見致しました。

よく見ると、KNIPEXならず、“KHIPEX”だの“KNIBAX”だのあからさまなパチモノです!!

中国、台湾、インドなどで製造されたKNIPEXの偽物で、こんなものまで展示してしまうあたり、ちょっと洒落が効いていますね♪

皆様、偽物にはお気を付け下さい、、、(^^;)



館内には昔の貴重な資料も沢山残されており、工具以外にも当時使用していたタイプライターや初期のパソコンなど、歴史を物語るものが多数展示されていました。

工具に目をやると、現代使用されている工具の原型とも言える工具が多数展示されていました。

ちなみに、右写真はプライヤーレンチの元となった工具だそうです。



こちらは意外なところで使用されていた道具です。

左は200年前の物で、何と、出産時に赤ちゃんを引っ張り出す為の道具との事、、、。

まさかこんなものが使われていたとは驚きです!! Σ( ̄口 ̄*)はうっ!

右はヘアーアイロンの原型だそうですよ♪



ミュージアム内では、時代を追って工具の発展していく様を確認する事が出来ます。

まだ機械と呼べる程のものが殆んど無かった時代、殆どが手作業で行われていました。

最初は鍛造作業も左上の様なハンマーを使用し、人間の手で打っていました。

少し発展すると、右の様な機材が生まれます。

重いハンマーの柄を軸に固定し、ハンマーの自重で打ち下ろすだけのものですが、人間の手より遥かに楽に、確実に出来ます。



18世紀まではこうした手作業、もしくは手作業にちょっと毛生えた程度の機械の利用程度でしたが、ここにまず水力が加わります。

右は水車を利用したグラインダーです。

ここにマイスターと呼ばれる職人達が座り、一日汗を流して丹念に工具を造っていたかと思うと何だか感慨深いものがあります。

コンピューターが無い時代だからこそ、よりマイスターの腕のよさが工具造りに直結していたのではないかと思います。

椅子はドイツ人にしては低い気がしますが、当時は貧しい人たちがこうした作業を行なう事が多く、平均身長も今より20cmも小さかったそうです。

ちなみに当時の労働時間は1日12時間程だったそうです。


こちらも水車を利用した木製プレス(ハンマー)になります。

この機械はとても大きく全長4~5m位は有るのですが、これだけ大きな機械にも関わらず実際の作業面はハガキ1枚位の範囲!!

昔の人は本当に苦労して鉄を加工していたのが分かりますね。

そしてもっと驚いたのは、まだこの機械が動くことです。実際に動かしてもらうとミュージアム内にハンマーの音が鳴り響きます。

木製の為動きはぎこちないですがどこと無く暖かい感じがします。(*^^)



こちらは当時使用されていた木靴です。

作業場の下には水が溜まる事が多く、濡れるのを防止するとともに、冷えを防止する意味があった様です。(゚ー゚)(。_。)ウンウン

もしかしたら安全靴としての意味もあったのかもしれませんね。

右は当時のトイレだそうです。



時代は進み、ついに電力が利用される様になります。

最初はベルトで重りを持ち上げて落とすだけの単純な仕掛けだったのが少しずつ複雑に、そして強力なものが造られていきます。



実際にどの機械も動かすことが出来ます。

このミュージアムにある昔の機械たちは定期的にメンテナンスがされている様で、現役とは行かないまでも訪問者達に実際に動きを披露する事が出来る様です。

流石は物を大事にするドイツの人々! 見習うところが沢山ありますね♪


本日も最後までご覧頂きありがとうございます。

今回最新の設備から歴史的な遺物まで、様々なものを見る事が出来ました。(*^^)

今まで知らなかった事ばかりで、KNIPEX本社訪問はとても勉強になりました。


しかしながら、工具の歴史は奥が深い、、、!!

次回も工具の歴史にかかわるご報告をさせて頂きたいと思いますので、番外編第2弾を乞うご期待下さい。(*^^)

という事で・・・ To Be Continued !!

板橋本店の小澤がお送り致しました。